2014年2月7日金曜日

Skinware:TRUNK マガジン 2014年2月号 デザイナー可児ひろ海インタビュー




私に<aware 気づき>をもたらす最高の一枚。
自分だけのワンマイルウェア
Skinware』に出会う旅


デザイナー・可児ひろ海が訪れたアイルランドの旅。
ほんの8日間で、人生観が変わるほどの体験をした彼女。
旅は人を変え、新たな気づきを与えてくれるものなのだ。


意志をもった女性にこそ着てほしい、旅から生まれた最高の一枚
私自身にも、ブランドにも<aware 気づき>をもたらした
アイスランド8日間の旅

Interview

旅がくれた大切な“気づき”はブランドの主軸となる存在に

北ヨーロッパの北大西洋に浮かぶアイスランド共和国(以下、アイスランド)は、火山活動とプレートの地表移動で今もなお成長し続ける火山島だ。まさに、地球そのもののエネルギーに溢れる「生きている島」。そんな雄大なアイスランドを車で旅したことから、重要なテーマ性が加えられた、日本発のオーガニックウェアブランドがある。近所までふらりと遊びに出てもいい、ワンマイルウェアや、ランジェリーを扱う『Skinware(スキンウェア)』だ。 

昨年9月、『Skinware』はニューヨークで初披露され、今年に2月にいよいよ日本で産声を上げる。まるで“何かに導かれるように”アイスランドの地を訪れたというデザイナーの可児ひろ海さんに、同ブランドの名前そのものであり、コンセプトでもある『Aware(目覚め、気づき)』についてお話を伺った。 

オーロラやブルーラグーン(温泉)のイメージが強いアイスランドだが、可児さんにのってのアイルランドは、ビヨークやシガー・ロスといった音楽色の強いイメージだったという。そんな折、神がかっているというほどの出会いと縁が重なり、8日間のアイスランドの旅に赴くこととなる。しかも、ツアーなどではなく、旅好きの友人が提案した、車でアイスランドを一周するという旅。『Skinware』の新コレクション発表のほぼ直前ともいえるタイミングで舞い込んできた旅。思い切って日本を飛び出した彼女は、そこで目に入ったダイナミックな大自然に心が響いたという。
「人もいない、音もない。ただそこにあるのは、生きている“むき出しの姿の、地球”。飲み込まれそうな巨大な景色、建物も何もない大地にくれてゆく夕日、自然が生み出したダイナミックな滝、果てしなく続く道・・・。それらを目の前に気持ちが何か生まれ変わったというか、目覚めさせられたのです。そのインスピレーションが『Skinware』ブランドの誕生のベースになっています。」

Skinwareのブランドコンセプトは3つ。
Skin Aware(自身の肌に目覚める)」
Self Aware(自身に目覚めること)」
Earth Aware(地球に目覚めること)」
  
今回の旅は、デザイナー人生の原点に立ち戻った体験でもあった。
「美しい自然の景色を前に、自然と感謝の気持ちが溢れました。その感覚をもって日本に帰国した時、建ち並ぶビルや溢れんばかりの商品が並ぶショーケースをみていて、単にモノを売るだけの仕事はしたくないと、シンプルに言えばですが、そう感じたんです。

それまでは、どこか商業的な仕事のやり方がありました。 それを否定するわけではありませんが、今の私は、自分の貴重な体験を(自分の作品や言葉、メッセージを通して)形にし、周囲に届ける方が自分もハッピーだと考えるようになったんです。アイスランドで感じた剥き出しの感動をそのまま日本でも伝えたいって。幸せの伝染、みたいに。さらに言えば、私自身、あの時の気持ちを持ったまま日本で生きていけたらどんなにいいだろう!と思いました。都市で生きる私が、旅のエッセンスと都市の生活をどう融合させられるか、とても悩みましたが、自分の関わるファッションの仕事に、この貴重な体験をベストな形で融合させようと思ったんです。もちろんまた新たな旅にいくつもり!」
  
Skinware』で扱うオーガニックコットンは、農薬も綿花の刈り取りの際の枯葉剤も使わない。地球環境にだけでなく、生産者の環境にも配慮している。

ラインナップは、ソフトブラやショーツなどのランジェリー。他にも、タンクトップをレースやギャザーのディテールとデザインでオーガニックコットンの風合いを表現。ワンマイルウェアは、飛行機の中でもラクに過ごしてほしいという思いも込めて、美しいシルエットと繊細な素材感にこだわった心地良い素材を使用。ベーシックなトップス、パイル素材のパーカーなど、繊細でやさしいデザインのコレクションが並ぶ。商品には、11着すべてに、アイスランドのランドスケープの写真と、コンセプトメッセージが書かれたタグが付けられている。
「ウエアにのって、私の個人的な体験がメッセージとして運ばれていけば、私の旅の感動もシェアできますし、ウェアを身にまとった人の体験に、ウェア自身もお伴して出かけていってくれるというシーンも感動的。

Skinware』はその人それぞれのJourney(旅)を運んでいくブランドでもありたいと思っています。そして、その喜びや感動を誰かに伝えることで、相手に何かが伝わり、それが幸せにつながる。そのツールとして『Skinware』のウェアがあるというか。何事も気づきを感じる瞬間は人それぞれだけど、これを身にまとった人に、何かひとつでも気づきや感じるものが生まれたら光栄です。」
可児さんは、目をキラキラさせながら同ブランドへの思いを語る。
「ウェアが意志をもって動き出してくれれば本当に幸せ。私自身、ずっと丁寧にやっていきたいと思えるブランドです。今後も、自ら機会をすくって世界中の気になる地を旅して、そこで得たインスピレーションを反映させていきたい。」


旅から何かを見つけ出した、そんな彼女の手から生まれるコレクションに今後も期待したい。


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